前回は印刷用紙の中でも、「非塗工紙」について代表的なものをご紹介させていただきました。気になる方はぜひ一度ご確認ください。
さて、今回は「特殊紙」についてご紹介させていただきます。
特殊紙は一般的な印刷用紙とは異なり、それぞれが独特な個性を持つ多機能・多柄のものであり、通常の印刷用紙に色が付いていたり、模様が付いていたり、エンボス加工が施されている特殊な用紙です。手に触れた時、独特の風合いがあるものもあり、それぞれの紙の個性が楽しめます。
用途としては冊子の表紙、包装紙、手提袋、ブックカバー、便箋、POP、化粧箱の貼紙、パンフレット、カタログ、カレンダーなど多岐にわたります。
また、種類としては色、模様、風合い、厚さに応じて数え切れないほど存在します。
今回はそのような特殊紙の中からいくつか種類をご紹介させていただきます。
ファンシーペーパー
「ファンシーペーパー」とは、主に色、模様や柄などをつけた装飾性の高いものを指します。
前回までの印刷用紙は印刷することにより新たな表現を持つようになりますが、それに対してファンシーペーパーは紙そのものに様々な色や模様、柄、風合いなどがあり、それぞれが独特な特徴ある表情を持っており、紙そのままを活かしていろいろな用途に活用できます。
- 用途
用途は多種多様ですが、主なところでは本の表紙、扉、見返し、カバー、帯紙やノートや便箋などの装丁、パンフレット、ラベル、グリーティングカード類、案内状、カタログ、ダイレクトメール、メニュー、化粧箱の装飾、パッケージ、高級包装用途、イベントでのPR用紙などがあり幅広く使われています。 - 分類
カラフルで個性豊かなファンシーペーパーは、豊かな色・風合いで美的感覚を満足させてくれる紙ですが、製造方法、紙質、色、表面の加工、柄、パターン(模様付け)などの違いでその種類は多くあります。多彩な染色や毛染繊維の混抄、すのこ仕上げ、エンボス加工などにより、主に次のように分類されています。- 着色紙(プレーン品):
さまざまな色、風合いを持ち、原則として新たに表面加工、柄などを加えないもの。 - 模様紙(マーク紙):
レイド、エンボス模様などがあります。- レイド紙(簀の目状の透し筋入り紙):
ダンディロールや毛布目(フェルトマーク)で型押ししたソフトで風合いのある紙で、柔軟かつ腰のある風雅なものです。 - エンボス紙:
彫刻ロールや型付ロールで紙にプレスして模様をつけます。模様には梨肌、絹目や各社独自のパターンも多くあります。
- レイド紙(簀の目状の透し筋入り紙):
- 異種材料抄き込み紙(ブレンド・混ぜ物):
毛入れした紙(毛入紙)に代表されますが、繊維以外のチリ入、染色繊維抄き込みなどいろいろな風合いのブレンド品があります。
- 着色紙(プレーン品):
加工紙
「加工紙」とは特定の用途に使用するために特殊な加工をした用紙であり、付加価値の高い印刷物を作成することができます。
機能的な要素やデザイン的な要素も含まれており、作製した印刷物に高級感を出すことが可能です。
- 用途
目的に応じて多種多様ですが、DM、案内状、パッケージ、包装紙、台紙などがあります。封筒やシール等にも使用されることがあります。 - 分類
- 金紙・アルミ蒸着紙・パール紙など:
ベースとなる白い紙の表面にパール塗工・アルミ蒸着PET・アルミ蒸着転写加工を施した紙です。
幅広いデザインに対応できる用紙として、パッケージなどさまざまな用途で使用されています。 - ホログラム紙:
ホログラムの柄が光の当たり方で多彩な輝きを放ちます。
使い方はさまざまで、下地の一部に白印刷を施すことにより、ホログラム柄を部分的に隠して、必要な部分のみ輝かせるような例もあります。 - タック紙:
裏面に粘着剤が塗布されているシールの材料です。
タック紙は上から「表面基材」「粘着剤」「剥離紙」の3層で構成されています。一般的に使用されるアート、ミラー、上質、訂正の他、ホイルやPET、和紙などさまざまなラインナップがあります。糊の種類も多く、一般強粘、強粘、弱粘、再剥離、トイシ等、用途に合わせて選ぶことができます。
- 金紙・アルミ蒸着紙・パール紙など:
いかがでしたでしょうか。
前回までの印刷用紙とは異なる「特殊紙」についてご紹介させていただきました。
特殊紙は非常に種類が豊富で、目的にあったものを選ぶことによって表現の幅が一気に広がります。印刷内容のデザイン以外にももっと個性を出したい場合など、特殊紙は大いに役立つものになるかと思います。
この記事が何かヒントになれば幸いです。
弊社ではお客様のご予算と用途に合わせた用紙のご提案も行っておりますので、お困りのことがあれば何でもお気軽にお問い合わせください。
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