前回ご説明した、検索や比較も、XMLを他の仕組みで二次利用しているケースとなります
今回はもう少し複雑なケースをご提案していきたいと思います
XMLは規格(記載ルール)を決められるので、その規格に沿ったファイルであれば、メモ帳で手書きで書いたものでも、システムから自動的に出力したものでも、“同じもの”として扱えます
その前提で、このXMLをソース(データ源)として活用していく方法を検討してみます
「他システムから取り込む」というケースの例をあげると、弊社の医薬品添付文書XML作成ツール「PackinStarXML」もそうです
「PackinStarXML」では、自ツールで作成したものでなくても、PMDAの無償ツールで作成したXMLも、PMDAサイト上で用意されている機能でSGMLから変換したXMLでも、あるいは他のツールで作られたXMLでも取り込むことができます
これはあらかじめ決まった規格通りにXMLファイルが作られていることを前提にしています
同じ規格に沿ってさえいれば、作成元がなんであれ、表やリストといった構造まで含めて解析・再現が簡単なのがXMLファイルの利点です
実際、異なるシステム間でデータをやり取りすることは業務上、多々あるかと思います
たとえば、勤務時間を入力するシステムと、給与を計算するシステムが別ものの場合、給与計算システムは勤務時間情報を何らかの形で取得する必要があります
こういった場合、直接システム同士がつながることは稀で、大抵は何らかのファイルをやりとりすることでデータの取り込みを行います
ただし、システムや業務には変更・改修がつきものです。しかし、どちらかのシステムに変更があったからと毎回関連するシステムすべてを変更するのは現実的ではありません。
その点、XMLファイルでやり取りを行っていれば、どちらかのシステムで改修があったとしても、XMLの形式さえ変わらなければお互いに影響せず済む大きなメリットがあります
先ほどの勤務時間と給与計算システムの連携でも、たとえば、普段は勤怠管理にタイムカードを利用していたけれど、リモートで働く従業員用に、スマホから勤務申請できるように新しいシステムを導入する、ということがあるかもしれません
この場合も、タイムカードから給与計算システムへのデータ連携がXMLファイルであれば、スマホからの申請も同じ規格のXMLを出力できれば、給与計算システムはそのまま、改修せずに利用可能です
また、機械的に処理することによって、作業漏れやミスを減らすことができ、より正確なデータを収集できます
勤務時間をひとつひとつ手作業で書き写していれば、ミスが出る可能性は否定できませんが、自動的に取り込むのであればその可能性は限りなく低くなります
同じような処理はかつては、CSV(カンマ区切りのファイル)や固定長(各要素の文字数を決めた形)で実現されることが多かったのですが、これらは不正な形式のファイルが作成され、かつそのエラーが検出されにくいデメリットがありました
その点XMLは間違った形式であればエラーと判断しやすいため、上記よりもベターなファイル形式であると言えます
このように、データのやり取りの手段としてXMLを利用することはシステム業界では比較的一般的な方式となっています
普段お使いのシステムの背後でも、実はユーザーの目に見えないところで、様々なXMLファイルが活躍しています
より便利に、確実に、迅速に、日々の業務がサポートされるように技術は常に進歩しています
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XML活用のすゝめ ④比較・検索での活用
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