• こんにちは!

    今年もあと二か月、ハロウィンからクリスマスへ街 の景色も切り替わり、あっという間に年末になりそうですね

    とうとうXMLについての連載の最終回です。

    今回は作成したXMLを他のシステムで利用することによる可能性をご説明します

  • 他システムとの連携

前回ご説明した、検索や比較も、XMLを他の仕組みで二次利用しているケースとなります

今回はもう少し複雑なケースをご提案していきたいと思います

XMLは規格(記載ルール)を決められるので、その規格に沿ったファイルであれば、メモ帳で手書きで書いたものでも、システムから自動的に出力したものでも、“同じもの”として扱えます

その前提で、このXMLをソース(データ源)として活用していく方法を検討してみます

  • 改修コストの削減

「他システムから取り込む」というケースの例をあげると、弊社の医薬品添付文書XML作成ツール「PackinStarXML」もそうです

PackinStarXML」では、自ツールで作成したものでなくても、PMDAの無償ツールで作成したXMLも、PMDAサイト上で用意されている機能でSGMLから変換したXMLでも、あるいは他のツールで作られたXMLでも取り込むことができます

これはあらかじめ決まった規格通りにXMLファイルが作られていることを前提にしています

同じ規格に沿ってさえいれば、作成元がなんであれ、表やリストといった構造まで含めて解析・再現が簡単なのがXMLファイルの利点です

実際、異なるシステム間でデータをやり取りすることは業務上、多々あるかと思います

たとえば、勤務時間を入力するシステムと、給与を計算するシステムが別ものの場合、給与計算システムは勤務時間情報を何らかの形で取得する必要があります

こういった場合、直接システム同士がつながることは稀で、大抵は何らかのファイルをやりとりすることでデータの取り込みを行います

ただし、システムや業務には変更・改修がつきものです。しかし、どちらかのシステムに変更があったからと毎回関連するシステムすべてを変更するのは現実的ではありません。

その点、XMLファイルでやり取りを行っていれば、どちらかのシステムで改修があったとしても、XMLの形式さえ変わらなければお互いに影響せず済む大きなメリットがあります

先ほどの勤務時間と給与計算システムの連携でも、たとえば、普段は勤怠管理にタイムカードを利用していたけれど、リモートで働く従業員用に、スマホから勤務申請できるように新しいシステムを導入する、ということがあるかもしれません

この場合も、タイムカードから給与計算システムへのデータ連携がXMLファイルであれば、スマホからの申請も同じ規格のXMLを出力できれば、給与計算システムはそのまま、改修せずに利用可能です

  • 作業ミスの軽減

また、機械的に処理することによって、作業漏れやミスを減らすことができ、より正確なデータを収集できます

勤務時間をひとつひとつ手作業で書き写していれば、ミスが出る可能性は否定できませんが、自動的に取り込むのであればその可能性は限りなく低くなります

同じような処理はかつては、CSV(カンマ区切りのファイル)や固定長(各要素の文字数を決めた形)で実現されることが多かったのですが、これらは不正な形式のファイルが作成され、かつそのエラーが検出されにくいデメリットがありました

その点XMLは間違った形式であればエラーと判断しやすいため、上記よりもベターなファイル形式であると言えます

このように、データのやり取りの手段としてXMLを利用することはシステム業界では比較的一般的な方式となっています

普段お使いのシステムの背後でも、実はユーザーの目に見えないところで、様々なXMLファイルが活躍しています

より便利に、確実に、迅速に、日々の業務がサポートされるように技術は常に進歩しています

  • 全5回に渡って、XMLの活用方法についてご説明してきました

    まずXMLを作成し、それをベースに、機械的に必要な形式に展開していくことによって、何度も同じことを入力する必要が減り、情報が体系化され、業務が効率的に、楽になっていくことが期待されています

    よくわからない形式で作らされて手間ばかり増えて…と思ってらっしゃる方、そもそも何のために作ってるんだろうと思ってらっしゃる方に、少しでもヒントになっていれば幸いです

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