医療用医薬品の添付文書のXMLの場合、PMDAへの提出時にレイアウトされたPDFが必要です
これが不要になったとしても、印刷用や自社HPに載せるなどの用途で、人の目で見やすいようにレイアウトされたPDFは、当面必須のファイル形式かと思います
PDFはワードなどのMicrosoft Officeソフトから変換できたり、ブラウザの内容から保存できたりと、昨今ではかなり手軽に自作できるようになってきましたが、それでも実際にきれいなPDFを作ろうとするとまだまだハードルが高いです
弊社のPackinStarXMLでは、専用の組版ソフトをバックグラウンドで動かすことにより、XMLを自動的にPDFに変換することが可能となっております
XMLにあらかじめ用意したテンプレートを当てはめることでPDFを生成する仕組みとなっており、テンプレートを用意すれば用意しただけのバリエーションのPDFを自動生成することができます
テンプレートに定義する内容はたとえば
・本文のフォントやフォントサイズ
・見出しのフォントやフォントサイズ
といった全体的なものから
・組成・性状の表のレイアウト
など特定の見出しに限定したものなどまで様々です
特に後者は添付文書、見出しに応じたPDFのレイアウトの定義を実現できています
上記は実際の定義の一部で、「警告は赤枠・赤文字」、「禁忌は赤枠」というルールを定義しています
これによって、XML上ではほとんど差のない警告、禁忌の見出しが、右のようにPDFで異なる見た目に出力されます
この自動組版の仕組みによって、いろいろなPDFを簡単に、かつ、どなたでも同クオリティのものを作ることができるようになります
自動組版は定義を変えて再作成するのにも適しており、例えば
・内容は変えずにデザインのみ一括変更する
・全添付文書の末尾の社名ロゴだけ変更する
・常に複数パターンの文字サイズのPDFを用意する
など、様々なケースに迅速に対応することが可能です
また、機械的な変換ですので、文字の抜けや転記ミスも起きません
実際に製品の箱に封入するような場合はページ繰りなど含め、かなり繊細なレイアウトが必要だったかと思いますが、2021年8月より始まった同梱廃止の流れが進めば、自動組版で手軽に、素早く作れるPDFで十分というシーンも増えてくるのではないでしょうか
今までは、純粋にXMLを他の形式のファイルに変換するお話をしてきましたが、次は少し毛色の違う変換のお話です
添付文書が改訂されると、派生的にIFなど他の文書も改訂・作成しなければならないことが多いのではと思います
添付文書のXMLを活用すればそれらの改訂をより簡単に行うことができます
たとえばIFは文書内に添付文書の抜粋箇所があります
この部分は添付文書が改訂されれば、連動して変更する必要のある個所です
添付文書の改訂が承認された際に、前回と比較して変更があった見出しを機械的に抽出し、抜粋箇所の形式に変換したワードファイルが自動で作成され、IF作成の担当者が手に取ることができれば、スムーズにIFの改訂作業が始められます
これもXMLが構造化されたデータだからこそ行える変換です
このように、添付文書のままだけでなく、中の要素を解析して、他の文書に加工することもXML形式であれば行いやすいです
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XML活用のすゝめ ②XMLを他の形式へ変換 その1
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