さて、今回は前回に引き続き、XML移行に関する話題です。医薬品のXML移行について、各製薬企業様がどのように対応されているか、弊社で把握している範囲ではございますが、解説させていただきます。本内容が、医薬品XML移行の方法をご検討いただく際の一助となれば幸いです。
各製薬企業様の対応について
弊社では、XML化に関連して、弊社システムおよびXML作成代行サービスの説明会を開催してまいりました。説明会を通じて伺ったお話から、多くの企業様が以下のような対応に追われておられるご様子でした。
- 情報収集
- 新たな運用フローの検討
- 添付文書の作成委託先の選定
- 公式ツールの習得
XML化への対応については、各社で以下のいずれかの方法を採用されているケースが多いことが分かりました。
- 公式ツールを用いて内製
- 外部のシステムを導入し内製
- 外部委託
自社の状況やニーズに最適な方法を選択されているようです。
次に、それぞれの方法について詳しく解説いたします。
1.公式ツールを用いて内製
PMDAが提供しているXML作成ツールを用いて自社でXMLを作成します。
メリット
- 外注費用を抑えられる
- 外部とのやり取りが不要なため、作成作業がスムーズ
デメリット
- ツール操作で不明点やエラーが発生した場合にフォローを得られにくい
(移行期間中はPMDAへの問い合わせが多発していたため、回答に時間がかかるケースがあったようです。)
2. 外部のシステムを導入し内製
メリット
- XML作成時の不明点について、システム提供会社に問い合わせができる
デメリット
- システム導入費用やランニングコストが発生する
3. 外部委託
メリット
- XML作成作業をすべて委託できるため、自社の負担が軽減される
デメリット
- 外部とのやり取りが発生し、コミュニケーションコストがかかる
- 委託費用が発生する
ツールの選定に関しては、データの初回作成の数や、その後の改訂頻度の差なども影響していたようです。様式変更時の作業は多いけれど、その後は自社で賄えそうであれば外部委託。定期的に作業が発生するのであれば、システム導入などの手段が考えられるでしょうか。
XML化対応を振り返って…
各社の状況はさまざまであり、どのような提案が最適か判断することが難しいと感じておりました。これは、添付文書の数や改訂頻度、担当人員の規模などがで大きく異なるためです。
一方で、お客様側のほうでも同じように模索されていたのではないかと感じます。どのような対応が適切なのか…と、お客様のほうでも試行錯誤しながら進めておられるご様子が伺えました。
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