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第2回:プリプレス編 前編

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営業の森本さんに、次にプリプレス部へ原稿データが渡ると聞いたKは、プリプレス部の中森さんにお話を伺うことにしました。
プリプレスとはpre(…以前の)+press(印刷)で印刷以前という意味を表しており、原稿を印刷用にデザインし、校正から刷版の作成までという印刷以前の作業工程を行う部署です。

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「プリプレス部では、まずどういった仕事から始めるんですか?」

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「原稿データを受け取ったら、パソコンで組版をしていくわ。
主にInDesignやillustrator、Photoshopなどの印刷用のレイアウトを作成できるソフトを使うの

  • 組版(くみはん)って?

    原稿を印刷用にデザインをする作業のことです。
    「版」というのは、印刷の際にインクを紙などの被印刷物に移すための型のようなもので、その版面を「組」む作業なので「組版」と言います。
    見出しや段落を入れて文章を見やすくデザインしたり、ロゴや文字、ページの色などに指定がなければその色を決めたり、挿絵などのイラストを用意することもあります。

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「そうして組版が終わったら、次は校正担当者に社内校正をしてもらうわ

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「社内校正ってどんなことをするんです?」

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「原稿とできあがった組版を見比べて、内容に過不足がないか確認するの。
原稿データのテキストを組版用に処理するときに、パソコンの環境やさっき言ったようなソフトの違いで
特殊文字(※)が文字化けして、抜け落ちちゃうことがあるのよね。
あ、もちろんお客様の要望通りに仕上がってるかの確認が一番大事よ」

※特殊文字の例
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  • 社内校正って何をするの?

    原稿と作成した組版を見比べて確認する作業のことです。
    1ページ毎に文字が抜け落ちていないか、内容が不足していないか、別のデータを取り込んでいないか、などを確認します。
    間違っている箇所には「朱書き」という赤字で訂正を入れていく作業をします。
    下図のサンプルの赤字が、その朱書きです。


    *校正のサンプル

    組版例_校正

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「社内校正が終わって、訂正箇所があれば修正作業をするの。
それも終わって問題がなければプリントアウトしてお客さんに見ていただくわ。
それで、訂正があればまた直す。できあがるまでそれの繰り返しね」

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「何度も修正が入るんですね」

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「社内校正もしっかりやっているからかしら。でも、それがウチのいいところなのよ。
たとえば時間があれば原稿を見ないで、組版だけを読む「素読み(すよみ)」をするときもあるわ。
素読みでおかしな箇所があったら原稿に訂正案を書いておいて、お客様に校正してもらうとき提案してみたりするの」

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「お客さんからOKが出て校正が終ると、ついに印刷用の版にするんですか?」

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「そうね。でもその前に版を作るための面付けって作業があるのよ。
ちょっと長くなっちゃったわね。今回はここまでにして、次回はその点について話をするわ」

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「わかりました。お願いします!」

  • 制作の流れについて

    制作の流れをまとめると以下のようになっています。

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プリプレス部の先輩からお客さんの原稿が印刷用に整うところまでを伺ったK。
ですがプリプレス部の仕事はまだこれで終わりではないようです。
次回も引き続きプリプレス部の仕事についてお話を伺います。

つづく……

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