前回、冊子の印刷過程について学んだKでしたが、今度は医薬品や医療機器に関連した書類を印刷する仕事に関わることになりました。
ある製薬会社の製品に新しい副作用が見つかったため、インタビューフォームの改訂が必要とのこと。
プリプレス部の中森さんに聞きにいったところ、こういった印刷物の場合はプリプレス部だけでなく、システム開発部でも組版が行われることがあり、今回もシステム開発部が担当するとのことでした。
どういった書類を作成しているのか、またなぜシステム開発部で行っているのか、システム開発部の森川さんに聞いてみることにしました。
「そもそも、インタビューフォームって何なのでしょうか?」
「いえ……どういうものなんですか?」
「インタビューフォームも添付文書も、どっちも薬の説明書みたいなものだね。
添付文書は、例えば薬局で普通に売ってる薬とかにも入ってる、使用上の注意の紙だよ。
インタビューフォームは添付文書の内容をより詳しく書いたものだね」
「どうやって改訂していくんですか?」
「原稿って何でもらうんですか?」
「ワードファイルとか、PDFとかだね。
うちでは自社製の受注システムを通して、原稿をアップロードして貰ったり、版の管理をしてあるんだ。
実際の修正は、自社で開発した専用のソフトを使っているよ。
このソフトを使ってもらえば、原稿のやり取りに人を介さなくていいからね。
お客さんとしても手間が減るんだよ」
「何か項目みたいなものがありますね」
「このソフトは入力項目を指示してくれているから入力しやすくなっていて、
ボタン一つでプレビューの表示やPDF出力も簡単に出来る。
これが”自動組版”の真骨頂だね。
他にもテンプレートっていうのがあるんだけど、それを設定しておけば
たくさんある項目からどの項目を記述しなきゃいけないか分かったりとか、便利な機能が色々ついてるよ」
「項目に沿って入力していけばいいんですね!これは使いやすそうです」
「システム的なことがわからなくてもいいなら、システム部で組版をしなくてもいいということになりませんか?」
「それはそうなんだけどね。でもこのソフトで入力してもらうと、印刷物ようのPDFのほかに、項目ごとのデータをつくることができるんだ。
こうやってデータに意味を持たせることで、システムとして二次利用しているんだよ」
「システムでデータを利用するために、組版をシステム部で行っているんですね。
でも、意味を持たせるってどういうことですか?」
「なるほど。このエディタで入力することで、項目と内容を繋げられるということですね。
でも、このデータのどう使うのかってところが、まだピンときません……」
「例えばだけど、データとして保存しておくと、見たい部分だけ取ってくるってことができるんだよ。
添付文書には改訂があるけど、その改訂した部分だけ見比べたいってときもあるんだ。
そういうときには、改訂した部分だけ抽出して比較することができるんだ。
MRさんたちにはそういった機能のあるシステムを使ってもらったりするよ」
「添付文書は項目が多いですし、そうやって必要なところだけ見比べられれば便利ですね」
Kはインタビューフォーム、添付文書、それに関連するシステムなどを学ぶことができました。
まだまだ覚えることはありますが、一歩前進したKでした。
つづく
[wp_ulike]